建設経済新聞 出張所

向日市 市長 安田守氏【シリーズ 風貌~私の市政哲学~】

【誇り高き向日市民】
 重厚な応接室で待機していると、安田守市長はさっそうと現れた。任期は3期目、全身に自信がみなぎっている印象を強く受けた。
 筆者とは自民党所属時代から旧来の付き合いであり、和やかな歓談が続いたが、ある話題の流れから「向日市を京都市の隣の市と言ってほしくない。京都市が向日市の隣の市ですよ」と、市長が熱く語る場面があった。どういうことかと聞くと、「向日町駅」は「京都駅」より一年早く開業し、京都府内で最も歴史の古い鉄道駅だそうだ。また、平安京の都が建設される以前に、長岡京の都が向日市のあたりに出来ていたと言う。向日市民はこのことを誇りに思っており、同じ乙訓郡の沓掛などの地域は京都市に合併されていったが、向日市はそうならなかったという。それだけ向日市民はプライドがあるのだろう。

【医療機関勤務から政治家の道へ】
 医療系の大学を卒業後、大阪医科大学附属病院で臨床検査技師として勤務していたが、平成15年に向日市議会議員に出馬して初当選。その後、府議会議員に転身し、平成27年向日市長に初当選、現在は3期目である。
 何がきっかけで政治の道を志したのか聞いてみた。「私は、向日市で生まれ育ちました。向日市に深い愛着があり、市の為に尽くそうと思い地元の消防団、少年補導活動などにも取り組みました。しかし、そういった活動の中で、できることの限界を感じ、市政を担う政治家を志したのです」。

【NIDEC永守会長から絶大な信頼】
 市長は、向日市の財政政策としてコストカットだけではなく、市街化調整区域に大企業のオフィスを誘致した。NIDEC㈱(旧社名、日本電産)の拠点として向日市ニデックパークC棟、また、オムロン㈱ヘルスケアの本社建物もその一例である。大幅な税収アップに寄与したことは言うまでもない。
 市役所建物の隣には、NIDECの永守会長から寄贈を受けた市民会館がある。向日市出身の永守会長には、「安田市長だから工場を誘致したんだよ、他の人に頼まれてもしないよ」と直言されたらしい。永守会長にこう言わしめる安田市長の人柄、市政手腕は素晴らしいものだ。

【市長の一日】
 安田守市長は、朝4時起床。自宅で仕事を開始。静かな環境で集中して執務ができるという。8時過ぎに登庁する。そこからまた慌ただしい一日が始まる。時間がないので昼食をとることもままならないという。
 市長のモットーは、『今日できないことは明日もできない。困難なことからする。やれるまでやる』だそうだ。
 帰宅してからは自分の勉強タイム。市の職員の3倍の勉強を信条としているそうだ。夜の会食があっても必ず1次会で帰宅する。就寝は夜9時。このサイクルが市長の心身ともに元気の源なのだろう。

【タワーマンション】
 まもなく、JR向日町駅直通の38階建てタワーマンションの建設が始まる。このマンション上層階からは向日市ならびに京都市内が一望できるだろう。今から相当な人気らしい。京都市には建築物の高度制限があるが、この向日市のタワマンの影響で京都市南区の高度制限を緩和する動きも出ているという。

【人口】
 京都市を始め、多くの市で人口流出が激しい。そのため、子育て世代を呼び込むための様々な施策がなされている。しかし、向日市はひと味違う。市長に言わせれば、そのような施策は人の奪い合いになるだけ。向日市は、駅直結のタワマンの建設や、誘致した大企業労働者の流入などで人口は自然増傾向である。

【市政にかける情熱】
 まだまだやらねばならない政策があると語り、市北西部の竹の径の観光地としてのPR、阪急洛西口駅前の開発、日本一のデジタル庁舎の達成などを例に挙げた。
 市長の座右の銘は“義を見てせざるは勇なきなり”だそうだ。精力的に市政に取り組む安田市長の気迫に圧倒された。
 これからも向日市は、安田市政の下でとてつもなく発展していくことだろう。
(社主 上中康司)

【向日市役所】
京都府向日市寺戸町中野20
℡075-931-1111(代表)

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