建設経済新聞 出張所

㈱上村組 常務取締役 上村憲司氏【シリーズ 風貌~私の経営哲学~】

【伏見工業高校ラグビー部】
 「私は、伏見工業ラグビー部出身です。かの有名な山口監督の時代に3年間頑張ったんですよ。社会人になってからつらいことが沢山ありましたが、当時の愛はあるけど厳しい厳しい指導を振り返れば、なんでも乗り越えられましたよ」。
 ドラマ、スクールウォーズで有名になった伝説の監督に鍛えられた上村氏。思わず先が聞きたくなる。

【家業を継がずアパレル業界へ】
 実家は解体業を営んでいたが、自分は四男で兄達が家業を継いでいたこともあり、父に守られた京都での生活を飛び出して東京のアパレル業界に就職したそうだ。修行時代を経て京都に戻り、女性服のアパレルショップを開業。順調に5店舗まで拡大した。
 しかし、そこで不幸が襲う。当時提携していた㈱マイカルが突如倒産し、売上金数億円が全て焦げ付いてしまった。「債権回収に失敗し、1円の回収もできず悔しい思いをしました」。上村氏は唇を噛みしめて語った。
 その後、アパレルビジネスを諦め、実家に戻って家業を手伝いたいと当時の社長の父に話したところ、反応は一言、「そうか」と。それ以上何も言わず受け入れてくれた、その時の感謝は忘れないという。
 以来、㈱上村組の営業担当役員として懸命に働き、会社の発展に邁進。伏工ラグビー部で培った反骨精神が発揮されたのだろう。

【新しい時代の解体業】
 同社は環境の国際規格ISO14001認証を受けている。解体業者がISO認証を受けることは、仕事が制限され、自社の首を絞めることになるのではないかと、社内では反対意見もあったそうだ。それでも上村氏は、環境負荷低減に取り組んでいる会社だと世間に認知してもらい、イメージアップに繋げたいとの強い思いで取得に踏み切った。結果、大きな工事案件も来るようになったという。
 解体の仕事は、建物を解体し、更地にして完成。建物を建設する仕事と比べて価値を正当に評価され難い側面から、安価で引き受ける業者もいる。しかしそこに依頼し、周囲の居住者に迷惑をかけ、結果的に家を追われる人もいるという。氏は語る。「解体工事は近隣の人に騒音・振動などの迷惑がかかるもの。事前に、しっかり挨拶に伺うなど徹底した配慮が必要です。また、迅速にきれいにその部分だけを更地にする技術が必要なんです。その積み重ねが評判に繋がります」。営業担当役員としての自信がみなぎった言葉である。

【守成クラブ】
 氏は現在、全国組織の経営者クラブ「守成クラブ」京都みやこ会場の代表と全国組織の全国連絡協議会常務理事を兼務している。14年前には、京都会場の立ち上げにも尽力し、当初30人だったメンバーは1年足らずで100人に増加。その後、みやこ会場(子クラブ)を自ら立ち上げ、代表に就任。さらに洛都会場、鴨川会場を次々に立ち上げていったそうだ。氏の誰からも慕われる人柄と卓越したリーダーシップのなせる業であろう。
 今後の㈱上村組の更なる躍進が楽しみである。
(社主 上中康司)

【企業情報】
会社名/㈱上村組
代表取締役/上村修三
本社/京都市下京区東中筋通六条上がる462-1
℡/075-343-3333

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