新作映画が出るたびに、どの映画を観ようか悩む人も多いのでは?シリーズ「シネマティック・ロンダン」では、フリーアナウンサーであり、映画パーソナリティーでもある津田なおみ氏による、おすすめ映画のレビューをいち早くご紹介します♪
日本の12月といえば、少し前までは『忠臣蔵』でした。大河ドラマ並みの華やかさで豪華俳優が演じる四十七士の討ち入りを、感動しながら見ていました。しかし、ご存じでしょうか? 通常、「赤穂浪士」という呼ぶのが一般的ですが、地元、赤穂では「赤穂義士」と呼ぶのです。 江戸期の文書には「赤穂浪人」の表記があり、彼らは罪人という扱いでもありました。 しかし、討ち入り翌年の元禄16年、儒学者の室鳩巣は、主君への忠義を評価して四十七士を「義人」と呼び、「赤穂義人録」を残しました。江戸時代の庶民に人気だった浮世絵などでは「義士」「義臣」とも表現。その後、明治天皇が四十七士の墓に勅使を送り、行動をたたえたことも「義 …
昭和11年(1936年)公開の映画を見ました。ちょうど、松竹映画が大船に撮影所を開所した年で、記念すべき大船一作目の「家族会議」です。横光利一の原作を当時、松竹がテーマにしていた小市民映画(市井の人々の生活と生活感情を描く日本映画の一傾向)を多数監督した、島津保次郎の監督作品です。 本作は、その年の第13回キネマ旬報ベストテンでは第6位になり、映画ファンからも一定の評価を得ました。昭和29年にはリメイクもされ、4回に渡ってテレビドラマにもなっています。当時の株式相場での東西合戦と恋愛劇を絡めた、少し珍しい物語です。 東京・兜町で活躍する株屋の重住高之。大阪に住む仁礼泰子と恋人同士なのですが、泰 …
映画のロケ地を訪ねるのが好きです。 前々回、10月4日に長野県にある、日本最古の映画館のお話をアップしました。その旅行の際に、ある映画のロケ地も訪ねました。今回は北軽井沢のお話です。 北軽井沢駅。かつて、大正時代に軽井沢と草津温泉を結ぶ、草軽電気鉄道の駅として開業し賑わいました。現在は鉄道自体が廃線となり、駅舎のみが残っています。この駅舎は、2006(平成18)年に文化庁から、国の登録有形文化財として登録されました。なんとも、味わいのある駅舎です。 北軽井沢駅 http://www.kita-karuizawa.jp/guide/ekisya.html ここでロケが行われたのは、195 …
誰かが開拓したからこそ、その分野がタブーでなくなることがあります。誰だって、これまで誰も手をつけなかった場所の扉を開けるには勇気がいります。 今回、ご紹介するのは、1980年代の米国で、ぶれない覚悟と信念を持って「性」について語った、実在の女性セックスセラピストを追いかけたドキュメンタリー作品です。 1981年、ニューヨークのラジオ局で、深夜に始まったトーク番組が話題になりました。リスナーの性の悩みを、ドクター・ルースが明るく解決する前代未聞の番組でした。彼女のチャーミングなキャラクターはたちまち評判を呼び、全国ネットのテレビ番組の出演へと広がり、一大ブームを巻き起こしま …
今年の夏休みに長野県に行ってきました。上高地で爽やかな気候を満喫したり、善光寺でおいしいお蕎麦をいただいたり、観光地にも寄ったのですが、その中でもいつも旅の途中には必ず、映画絡みの場所を訪れます! 今回は、日本で一番歴史が長い映画館を訪れることでした。 それは、江戸時代には善光寺参詣の精進落としの水茶屋が栄えた場所でもある、権堂商店街の中にある「長野相生座・ロキシー」です。善光寺から歩いてもいける距離にあるんですよ。 今も、3つあるスクリーンでは、メジャーな作品だけではなく、ミニシアター系の作品も上映されていて、俳優や監督がよく舞台挨拶にもやってこられ、地元のファン、そして映画に関わってい …