新作映画が出るたびに、どの映画を観ようか悩む人も多いのでは?シリーズ「シネマティック・ロンダン」では、フリーアナウンサーであり、映画パーソナリティーでもある津田なおみ氏による、おすすめ映画のレビューをいち早くご紹介します♪
米国映画の発展に、ミュージカルが果たした役目は大きいと言われています。特に、1950~60年代の作品には『雨にぬれても』や『サウンド・オブ・ミュージック』など、今も語り継がれ、歌い継がれている名作が多いことからもお分かりになるでしょう。 その中で異彩を放つのは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台をニューヨークに置き換え、ブロードウェイで初演し映画化された「ウエストサイド物語」です。ミュージカルと言えば、とにかくゴージャスに歌やダンスを堪能するエンターテイメントでした。ところが、この作品では、恋する二人の背景に人種間の差別や偏見を書き加え、社会性を前面に押し出しました。ここが新し …
半世紀以上、一線で活躍し続けているクリント・イーストウッドの監督デビュー50周年の記念作がやってきます。本人が主演する落ちぶれたカーボーイと少年との交流を描いたロードムービー。30年ぶりに魅せる彼の乗馬姿に往年のファンは感動するはずです。 1979年の米テキサス。ロデオ界の元スターのマイク(クリント・イーストウッド)は、落馬事故をきっかけに家族とも別れ、今は孤独な一人暮らし。部屋に飾られているトロフィーや新聞記事などが花形選手だったことを物語っています。ある日、彼は元雇用主に息子のラフォ(エドゥアルド・ミネット)を、薬漬けになっている母親の元から連れてくるように頼まれます。はじめは渋ってい …
この映画は、今年5月に開催されたカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に選出され、スタンディングオベーション受け、高評価を得た作品です。私は、日本で公開されるのを心待ちにしていました。 タイトルは「ONODA一万夜を越えて」 これは人の名前です。そう、あの「小野田寛郎」さんのことです。 皆さんもご存じのように小野田さんは、1945年太平洋戦争終結後もフィリピン・ルバング島で戦いを続け、74年に51歳で日本へ帰還、“最後の日本兵”として知られている人物です。 終戦後も任務解除の命令を受けられないまま、ルバング島で約30年間、過酷なジャングルの中で過ごした小野田さんとその部下のサバイバルな生 …
今年の東京五輪の開催には賛否両論が渦まいていましたが、選手たちの頑張りは感動するシーンがたくさんありました。 さて、今回は五輪の次回開催国であるフランスから届いた、10代の美しき少年同士のひと夏の恋の物語をご紹介します。カンヌ・ベルリン・ベネチアの三大映画祭の賞争いで常に名前が挙がるフランソワ・オゾン監督が、エイダン・チェンバーズの小説『おれの墓で踊れ』を映画化しました。しかも監督は17歳の時にこの小説を読んで、その時からいつか映画化したいと考えていたそうです。 舞台は1985年のノルマンディー。セーリングを楽しんでいた16歳のアレックス(フェリックス・ルフェーブル)は突然の嵐に見舞われ、ヨッ …
いよいよ、東京でのオリンピックが観客を入れて開かれることになってきました。賛否両論巻き起こりながらすすんでいますが、開催するのであれば、無事にそして選手の皆さんが、全力を出し切り終了する大会になることを祈るばかりです。さて、今回は、このオリンピック騒動で思い出したので取り上げます。ご紹介するのは、昭和39年のオリンピックの時代を描き、大ヒットした映画『ALWAYS 3丁目の夕日’64』です。 何度見ても泣ける映画があります。私は見るたびに、毎回同じ箇所で泣くし、そのシーンの話をするだけで涙が溢れるほどです。ヒット作となった『ALWAYS』シリーズの第3弾。前2作は昭和33~34年の下町を描 …