神戸・新開地で生まれ育った映画評論家の淀川長治さん。私は、彼が書いた映画愛にあふれる昔の評論を読むたびに新たな視点を得ています。神戸を愛しすぎていた淀川さんは、阪神淡路大震災後、間もないイベントに招かれた際、被災した神戸を見るのが辛いとの理由で固辞したと聞いています。その後、あるインタビューで「神戸に見舞いに行こうと思ったけれど行けなかった。神戸の人に恨まれていると思うの。ごめんね。」とおっしゃったとか。 こんな風に、震災後の神戸に「ごめんね。」と思っていた人は、多くいるだろうと思います。 私もその一人。当時、堺に住んでいた私の家は、食器棚が倒れ、食器が全て割れると言う程度の被害ですみま …
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