巨匠、黒澤明(1910~1998年)は、「映画監督とは、戦場の第一線で指揮をとっている司令官」と例えました。 しかし、彼は、徴兵検査は受けたものの、忌避され戦地には赴きませんでした。 身長180センチ以上で、特に身体的異常もないのに、なぜか徴兵されなかったのです。 それについて、彼は自伝といわれる『蝦蟇の油』で、20歳の徴兵検査のことをこう書いています。 実は、徴兵検査の担当官が父親・黒澤勇氏の教え子だったので、徴兵を逃れたというのです。 たぶん、それは本当のことでしょう。 黒澤明が検査を受けた1930年(昭和5年)は、世界も日本もまだ平和な時で、陸軍でも師団の削減が行われる時代でした。 です …
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