お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

天守の格好よさと日本人の美意識

「キレイ!」 「カッコいい!」 お城を訪れる観光客の多くは、こんな言葉で天守を愛でます。確かに天守は雄大で、潔くて、格好いい。日本人の美意識をくすぐります。いったい天守のどんな要素が、私たちの心を震わせるのでしょう? その「格好よさの源」は、天守の「破風(はふ)」のつくりにあります。 破風とは、屋根の端にある山形の部分のこと。神社仏閣や現在の住宅でも目にするこのつくりは、風や雨・火災から屋根と建物を守るために必要な構造です。 破風が建物の保護のために必要ということは理解できますが、それにしては数が多すぎます。天守の構造上、破風をたくさんつくる必要があるのでしょうか? 天守のつくりから、破風の必 …

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