お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史50】戦前に再建された天守

大正15年(1926)12月25日に、大正天皇は崩御されました。これを受けて、皇太子・裕仁(ひろひと)親王は天皇の位を引き継ぎ、元号が昭和に改元されます。大正天皇の喪が明けた昭和3年(1928)には、「御大典(ごたいてん)」と呼ばれる、即位の礼や大嘗祭などの一連の儀礼が執り行われました。全国各地には御大典記念の石碑が建てられ、昭和天皇のご即位と御大典をお祝いする行事が大々的に行われます。愛知県名古屋市では、即位の奉祝事業と地域の産業振興を目的とした「御大典奉祝名古屋博覧会」が開催されました。 淡路島にある「洲本城(すもとじょう・兵庫県)」の天守は、この昭和天皇の御大典を記念して、昭和3年に建て …

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