お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史44】最先端の産業技術を備えた佐賀藩の底力

幕末は、外国船の脅威に備えるため、800を超える「台場」が築かれた築城ラッシュの時期でした。(詳しくは、過去記事「【城の歴史43】異国船の脅威に備えた幕末の城」をご覧ください)台場とは、大砲を備えた軍事施設のことです。つまり、台場の数以上に「大砲」が必要だったということです。 そもそも、幕末期にこれほど多くの大砲をつくることができたのでしょうか。疑問に思い調べてみると、当時の日本で最先端の産業技術を持つ藩に行き当たりました。それは、佐賀藩です。 歴史と城を愛した作家・司馬遼太郎は、「幕末、佐賀藩ほどモダンな藩はない。」(司馬遼太郎『アームストロング砲』より)と、佐賀藩が軍隊の制度も兵器において …

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