お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史25】復元・整備される戦国の城

南北朝時代から戦国時代末期までのおよそ300年の間に、戦乱の世の日本では3万から4万もの城郭や館が築かれました。そのたくさんの城の中で、石垣の上に天守がそびえ、広い水堀に囲まれた「近世城郭」の数は、400城ほどしかありません。つまり日本の城のほとんどが、土づくりの「中世城郭」だったのです。 お城めぐりをするようになるまで、私自身も「城」とは「天守」のこと、あるいは「天守のある城」のことと思っていました。整備された近世城郭は、公園を散歩するかのようにとても気軽に行くことができます。一方、戦乱の世に活躍した中世城郭は、高い山の上にある山城がほとんどです。山城とはいえハイキングやトレッキングの身支度 …

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