山城は、自然の山を掘ったり削ったり人工的な土木工事をして切り拓いた、戦略的な土づくりの城です。その掘削した地面に残る凹凸の構造が、山城の貴重な遺構になります。山城は登るのが大変です。けれど、苦労した先にある見事な遺構と、眼下に広がる雄大な景色を眺めれば、疲れも吹き飛ぶほどの爽快感で満たされるでしょう。 今回は、山城に残る巧みな防御の仕掛けに注目してみましょう。和歌山県みなべ町の「うめ振興館」に展示されている平須賀城(へいすがじょう)の再現ジオラマを例に、山城の基本的な防御のしくみをご紹介します。 平須賀城は、南部川と玉川の合流地点にそびえる平須賀山の山頂付近にある、比高177m・南北約400m …
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