お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

城に残る日本の歴史

新型コロナウイルスで混乱した令和2年も、残すところあと僅かになりました。新時代を迎えた令和元年の今頃には、こんな未知のウイルスとの戦いが待ち受けているとは、誰も想像できなかったことでしょう。 日本人と感染症との戦いは、この新型コロナウイルスだけではありません。奈良時代の天然痘では、政治の中心を担っていた藤原不比等の4人の息子をはじめ、当時の日本の総人口の30%前後に当たる100万人以上が亡くなったとされています。この疫病からの救済と国家の安寧を願って造営されたのが、東大寺の大仏です。 古代から現代まで、日本では天然痘だけでなく、赤痢・インフルエンザ・はしか・風疹・コレラ・腸チフスなどがたびたび …

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