お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

関ヶ原の戦いに込めた家康の戦略と大名たちの城づくり

江戸時代は、260年を超える天下泰平の徳川家の時代でした。揺るぎない江戸幕府の礎は初代将軍:徳川家康の戦略によって築かれたと言っても過言ではありません。そんな盤石な体制づくりのために行われた家康の戦略と城との関わりを、数回に渡ってご紹介します。 慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いは、家康を総大将とする東軍と、毛利輝元を総大将に石田三成が指揮をとった西軍との戦いです。東西両軍は豊臣家に仕える武将たちが中心なので、この戦いは秀吉亡き後の豊臣政権内部での勢力争いです。けれど実際には、その対立を利用した家康による政権奪取の行動と言われています。 関ヶ原の戦いに勝利した家康は、東西両軍の武将たちに対し賞 …

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