お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

築城名人 秀吉の城づくりと秘めた戦略

「築城名人」と呼ばれる武将に、加藤清正と藤堂高虎がいます。清正は、独特の曲線を描く高石垣を得意とする石垣づくりの名人です。高虎は、石垣づくりに加え、城づくりの総監督のごとく堅固な城をデザインする能力に長けた名人でした。 清正と高虎は、築城名人の揺るぎない二大巨頭です。けれど3人目となると、黒田官兵衛・池田輝政・加藤嘉明・高山右近など複数の名が連なり、はっきりしません。今回ご紹介するのは、その第三の築城名人として名前が挙げられる豊臣秀吉です。 秀吉が築城名人だという印象は薄いかもしれません。けれど、墨俣城・長浜城・姫路城・大坂城・聚楽第・石垣山城・名護屋城・伏見城と数々の名城を築いた実績がありま …

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