お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

大阪城石垣の石切丁場を訪ねて

徳川幕府が西国の抑えの重要拠点として、絢爛豪華につくりあげた大阪城。その大阪城の見どころは、なんといっても「石」です。数トンの巨石が埋め込まれた石垣や、整然と積み上げられた石垣群の美しさは、江戸城でさえ敵わない規模と大きさです。大阪城石垣の総延長はおよそ12km、使われた石材の総数は100万個を超えるといわれます。 この大阪城の石垣は、江戸時代初期の元和6年(1620)から約10年間の大工事によって築き上げられた大作です。それは徳川幕府の命で行われた「天下普請」という、大名の石高に応じてエリアを分担する工事でした。この天下普請には、外様大名を中心に64の大名家が関わったと伝わります。 広い水堀 …

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