和・作法の彩り

全日本作法会で20年以上、作法に携わり、企業や大学にてマナー研修を実施している筆者が送る日本の礼儀・作法に関するチャンネル。
一口に礼儀・作法といってもそこに隠されている、込められている日本の心、文化について発信していきます。

菊と後の雛(のちのひな)

 九月の行事として「重陽の節供」があります。九月九日、陽の最も大きな数である「九」が重なるという意味から「重陽の節供」と云われています。旧暦の九月九日ですので、新暦の10月頃になります。「重陽の節供」は別名「菊の節供」とも云われています。新暦の9月では、菊の花はまだ早いですが、10月頃には菊も咲いています。  重陽の節供には菊にまつわる行事がいくつか伝えられています。お酒に菊の花びらを浮かべて飲む菊酒。前日の9月8日に菊の花に綿を被せて、翌日露で濡れた綿で肌を清める菊の被綿(きせわた)。乾燥させた菊の花弁を詰め物にして作った菊枕。菊には薬効成分があり、体の余分な熱を冷ますとされ、邪気を祓うと云 …

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