日本の夏の風物詩の一つに「風鈴」があります。風鈴の起源は中国、あるいはインドと云われています。竹林に吊るされて、音のなり方で吉兆を占った「占風鐸(せんぷうたく)」でした。「鐸」とは銅や青銅で作られた大きな鈴のことです。これを僧侶たちが持ち帰り、寺院で仏堂の四隅や仏塔に吊るされ、「風鐸」と呼ばれるようになります。風鐸のガランと鳴る音は魔除けになると信じられていて、その音が聞こえる範囲に住む人々には災いが起こらないとされていたのです。8世紀初頭と思われる風鐸の破片が、奈良県明日香村の飛鳥寺から発見されています。現代でも、お寺の軒下に吊るされた風鐸を目にします。平安から鎌倉時代にかけては貴族の屋敷 …
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