短期大学卒業後大手地方銀行に長年勤務 着付けを習うことで、日本の文化に興味を持つ全日本作法会で20年以上、作法に携わる。 企業や大学にてマナー研修を実施
世界三大料理とは、中華料理、フランス料理、そしてトルコ料理が入ります。平成25年に「ユネスコ無形文化遺産」に認定された和食、日本料理は入っていません。個人的には、日本料理は世界三大料理の上に位置していると考えています。 日本料理ならではの特徴は生魚を食べることではないでしょうか。新鮮な魚の鱗をとり、身を切って盛りつける。味付けは醤油などの調味料を個人の好みでつける。非常にシンプルな料理です。それだけに、素材の味が際立ちます。煮る、焼く、蒸す、揚げる、そして生の五法を用いて料理するのですが、食材に火を通しても、素材の味を殺すような味付けはしないのが日本料理です。 フランス料理なら、ソースが料理の …
料理に対する考えが違うのは、食事の時に使う器にも影響します。 西洋料理では、同じような大きさ、形の器が使用されます。日本料理では料理によって、大きさはもちろん、形、色や柄も使い分けます。 江戸時代に茶人が、禅僧が懐に温かい石を入れてひもじさを忍んだという故事から名付けた、懐石料理は茶会の時にお客様をもてなすために出される料理です。その懐石料理では、飯、汁、向こう付け、煮物、焼き物、吸い物、八寸、香の物などが順に出されますが、どれひとつとして同じ器が使われることはありません。理と器の調和を考え、それぞれの料理にふさわしい大きさ、形、柄の器を選び、盛りつけます。 器が料理を引き立て、また料理が器を …
今回は、海外の国における「食」の歴史についてです。 日本料理の歴史は古いのですが、諸外国の「食」にも当たり前ですが、歴史があります。あらゆる事にいえますが、ある程度歴史から知らないと、本質が見えてきません。 ・イタリア料理 イタリア料理はフランス料理よりも古く、古代ローマ帝国の時代にまで遡ります。古代ローマ人は何よりも食べることを好み、一食一食に時間をかけていました。一食を必ずコースにしており、一日に三食取っています。 上級階級のローマ人は、腕の良い料理人を呼んで、客をもてなしました。料理人たちは腕を競い、他の国の追随を許さないほど豊かな食文化が生まれます。ローマ帝国がヨーロッパ全体に勢力 …
フランス料理 オードブル 前菜のことです。一番外側のナイフとフォークで食べます。カナッペなどは直接手でつまんでいただいてもよいです。 スープ・パン 手前から向こうにすくって飲むのがイギリス式。向こう側から手前にすくうのがフランス式です。最近は手前から向こう側へすくうのが主流となります。また、両端に取ってが付いているブイヨンカップは持ち上げて飲んでも良いのです。常に+姿勢を良くし、音は立てないことが肝要です。 スープが残り少なくなったら、器を少し傾けるのが良いとされていますが、正式な場所では必要以上に傾けず、すくえなくなった時点で終わりにします。 魚料理 パンは一口ずつちぎって、残りは …
神話の時代から 古代では日本に暮らす人々は何を食べていたのでしょう。 周りが海、暖流と寒流が交叉する海域には豊かな海の幸が育ち季節の移り変わりの四季は多種多様な植物を茂らせ、食環境には恵まれています。 古事記や日本書紀に納められた中にも、食にまつわる話があります。特に「穀物」に関係するお話しが多く、それは稲作が始まるから、粟や稗などの穀物は存在していたということでしょう。やがて稲作が伝承すると、各地で米が作られるようになり、米が中心の食文化が生まれます。 米は栄養価が高く力の元となる穀物であり、備蓄性も高いので、税として農民から中央政権へ治めるようになり、やがて稲作は国策となっていくのです。 …