シネマティック・ロンダン

新作映画が出るたびに、どの映画を観ようか悩む人も多いのでは?シリーズ「シネマティック・ロンダン」では、フリーアナウンサーであり、映画パーソナリティーでもある津田なおみ氏による、おすすめ映画のレビューをいち早くご紹介します♪

実話の映画化。衝撃走る「ホテル・ムンバイ」

終始、緊張がみなぎるシーンの連続の作品なので、体調の良いときにみるのをおすすめします。実際にインド・ムンバイで起きた、無差別テロからの脱出劇を「2018年注目すべき映画監督10人」に選出されたアンソニー・マラスが監督した …

©2018 HOTEL MUMBAI PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, ADELAIDE FILM FESTIVAL AND SCREENWEST INC

終始、緊張がみなぎるシーンの連続の作品なので、体調の良いときにみるのをおすすめします。実際にインド・ムンバイで起きた、無差別テロからの脱出劇を「2018年注目すべき映画監督10人」に選出されたアンソニー・マラスが監督した意欲作です。

2008年11月、インドを代表する五つ星ホテルが、500人以上の宿泊客と従業員を人質に、テロリストによって占拠されました。テロリストは、一部屋ずつノックして、扉を開けた宿泊客を次々と殺していきます。制圧するためには、特殊部隊が必要なのですが、なんと到着には数日かかるという過酷な現実が伝えられます。特殊部隊がやってくるまで、なんとしても宿泊客を守らなければならない。プロとしての誇りをかけてホテルマンたちはテロリストに立ち向かいます。

映画冒頭、人々でごった返す駅で、2人の少年が銃を乱射します。同時多発的に、別の少年達が、レストランで次々と客を銃撃。町中がパニックになり、人々はホテルに逃げ込むのですが、、その中に、さらに別のテロリストが紛れ込んでいるのです。そこから、60時間も続いたホテルでの籠城の様子を、カメラは追いかけます。

本作は、自分もホテルにいる錯覚を覚えるほどのリアリティを追求しつつ、従業員達の勇敢な姿を描く一方で、テロリスト達の行動の幼稚さも盛り込んでいきます。これから、人として成熟していくような童顔の少年達は、過激派組織の首謀者に完全に洗脳されています。遠く離れたパキスタンから、首謀者は電話で指示し続け、言われた通りに自分の意思を超えた精神状態で銃を撃ちまくる少年達。どの少年も人を撃つのに全く躊躇がないのが、事実を反映しているようで恐怖を煽ります。

ところが、1人のテロリスト少年が警察に足を撃たれ、弱気になった時にとった行動は、故郷の父親に電話をかけ、泣きながら家族の幸せを祈り、心の葛藤を吐露する人間らしい一面でした。テロリストとして育成された少年達は、国家間の対立から派生して生まれた過激派組織の被害者でもあると描き、慈悲の心が伝わる物語にもなっています。

9月27日から公開 2時間3分

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