シネマティック・ロンダン

新作映画が出るたびに、どの映画を観ようか悩む人も多いのでは?シリーズ「シネマティック・ロンダン」では、フリーアナウンサーであり、映画パーソナリティーでもある津田なおみ氏による、おすすめ映画のレビューをいち早くご紹介します♪

江戸時代の史実を背景にコメディ三昧の「引っ越し大名!」

国宝、姫路城を舞台に、江戸時代、姫路藩が総出で引っ越しをする、今回は、昭和50年代の松竹喜劇を思わせる作品をご紹介します。 史実を背景に、小気味良い展開がなされ、旬の俳優達の演技も加わり、画面が活気づいています。 &nb …

©2019「引っ越し大名!」製作委員会

国宝、姫路城を舞台に、江戸時代、姫路藩が総出で引っ越しをする、今回は、昭和50年代の松竹喜劇を思わせる作品をご紹介します。

史実を背景に、小気味良い展開がなされ、旬の俳優達の演技も加わり、画面が活気づいています。   度重なる国替えで財政が困窮している姫路藩主、松平直矩(及川光博)の元に、幕府から5回目の国替えが命じられました。

当時の引っ越しは、全ての藩士とその家族全員で移動するため、桁外れの費用と労力がかかりました。前任の引っ越しの総責任者である「引っ越し奉行」は過労死してしまったほどです。

この最大のピンチを任されたのは、人が苦手で本ばかり読んでいる、引きこもりの書庫番、片桐春之介(星野源)でした。  

昔の大名は、現代のサラリーマンのようで、幕府からの無理難題に答えなければなりません。 嫌だと言えば切腹が待っているのです。

しかし、『のぼうの城』などの犬童一心監督は、そういった深刻さは排除し、歌手でもある星野の歌声の良さを活かし、半分ミュージカル仕立てで、現代社会の苦労や問題に通じるエピソードを軽快に描いていきます。

コストカットのためのリストラ、いらない物を減らすための断捨離、商人に頼み込んでの借金など、知恵と工夫が詰まった引っ越しのノウハウがテンポ良く描かれます。

そこに武士の悲哀をユーモアたっぷりに盛り込み人情喜劇に昇華させました。しかも、大名は美少年好きの設定になっていて、昨今、テレビや映画で人気の「おっさんずラブ」のようなコメディ的な展開もあって笑わせてくれます。

©2019「引っ越し大名!」製作委員会

情けない顔が最も似合う俳優、星野源、三船敏郎のように豪快な演技を披露する高橋一生など、他のキャストも役にピタリとはまっています。 三百年前に姫路城でこんなことが実際にあったかもしれないと思いながら鑑賞するだけで、当時の姫路藩士達が好きになりますよ。  120分

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