『蒙』という字の読みは「こうむる」であり、意味には、おおう、かぶさるという意味と道理にくらい、無知、などの意味が辞書にある。中国はモンゴルのことを蒙古と呼び、「古臭くて、道理の通じない馬鹿ものである」とした。 『蒙』の漢字を使う熟語としては蒙古以外に「蒙昧」や「啓蒙」が頻度は高くないが使われる熟語だと思う。この二つの熟語の『蒙』はどちらも道理にくらいという意味であり、「蒙昧」の意味は知識が不十分で道理にくらいことであり、「啓蒙」は人々に正しい知識を与え、合理的は考え方をするように導くこと、とある。 啓蒙とは蒙を啓(ひら)く事、つまり道理にくらい者が道理をわきまえるようにすることらしい。 カント …
中国人が日本語を話すのには特徴がある。よくモノマネにも使われるからご存知の方も多いだろうが、例えば中国人は「ワタシ ノ オトサン(お父さん)、ケツアツ(血圧) チョト(ちょっと) タカイヨ」という。イントネーションやアクセントにも特徴のある日本語を中国人は話す。 しかし、私の知る限りであるが多くのモンゴル人は、同じことを「ワタシのオトーサンはケツアツがチョット、タカイです」とほぼ日本人と同じようなアクセントと抑揚で日本語を話す。白鵬などの相撲取りのインタビューを聞いていても、日本人と同じように上手に日本語を話しているモンゴル人の姿を目にされている方も多いだろう。関西にいるモンゴル人なら、発音に …
Сайн байна уу.(サエン バイ ノー) これはモンゴル語で「こんにちは」という意味である。モンゴルでは現在はこのキリル文字を使用しているが、このキリル文字はモンゴルがソ連の衛星国になった時に、モンゴル文字を捨てさせられ、半ば強制的にキリル文字を押し付けられた結果であり、今でもこのキリル文字がモンゴル国では使用されている。 元来、モンゴル文字はチンギス ハーンがユーラシア大陸を制覇した頃にチベット文字から作られたものであり、それは日本と同様に縦書きで書かれ、日本が右から左へと書かれるのに対し、モンゴル文字の文章は左から右へと流れていくのであった。 日本語は、漢字、平仮名、片仮名 …
肌の色の違い、頭の形の違い(短頭、長頭)、などの形態的特徴により分類された人種という区分から、血液型や遺伝子、果てはIQなどを統計処理し、その特徴を人種の特徴として顕すこと科学的といって今まで行ってきた。 ユダヤ民族の排斥という宗教的相違からくる憎悪から、民族という概念が生まれ、次第に地理的差異、文化的差異、言語的差異などにより世界中の民が民族という概念の範疇に組み込まれ、今度は形態学的特徴によりその民族は5つの人種というカテゴリーに分類された。 幼少の頃、親から自分が黄色い人(黄色人種)であることを教えられ、義務教育の現場で、コーカソイドやネグロイドの存在を当たり前のように知ることにな …
赤ちゃんが誕生すると、そのお尻にはうす青く痣のようなものが広がっている。日本人にとって、この事実は当たり前のことであり、これは蒙古斑(Mongolian Spot)と呼ばれる先天的に生じる仙椎周囲に生じる薄青い母斑であり、成長とともにこの青さは薄れて消えてゆく。 このようなことから、日本では未熟なことを「まだ尻(ケツ)が青い」とか「青二才」などという表現がなされる。 蒙古斑(Mongolian Spot)はドイツから日本の東京大学の教授に招かれた内科学のベルツが、この尻の青痣をモンゴロイド(肌の黄色い人々)の特徴として捉えて、1885年に”Mongolian Spot”として提唱した。 …