建設経済新聞 出張所

㈱京都設備 代表取締役 倉本和幸氏(後編)

シリーズ 風貌~私の経営哲学~

【今後の展望】
 空調事業を柱とし、顧客の声を反映したオリテウム事業や摂美事業も展開する、㈱京都設備。倉本氏が見据えるものは何か。
「今の冷凍・空調業界に必要なのは活気」
 業界を活性化していくという夢やロマンに〝熱〟を注ぎたいと意気込む。
 設立60周年事業の一環として、来年1月30日(火)~2月2日(金)に東京ビッグサイトで開催のHVAC&R JAPAN 2024(冷凍・空調・暖房展)に出展を予定。同社の事業紹介だけではなく、これからの担い手を魅了できるものを示していきたいという。

【経営者かくあるべし】
 「経営者ってのは、開拓者でないと。その道に惚れ込んでついてきてくれる人たちに夢やビジョンを示していかなければなりません」
 社長として、人材管理ができるのは当たり前。その先が重要なのだ。
 「ワークバランスで仕事を選ぶ人が増えていますが、〝働きやすさ〟=〝働きたい仕事〟なのでしょうか。
〝働きやすさ〟よりも〝働きたさ〟を社員に魅せていかなければなりません」

【若い世代へ】
 「早く自分にとっての夢やロマンを見つけられるよう、色々な体験をしてください」
  後悔のない、濃厚な学生生活を過ごして社会に出て来て欲しいと倉本氏は語る。
 「自分のやりたいことは多くの〝社会人経験〟で気づくものではなく、豊富な〝社会体験〟から築くものなんです」
 だからこそ、学生の特権を活かして欲しい。そして選び取った業界を極めて欲しい、と氏は繋げた。

【編集後記】
 気づくと倉本氏の〝熱〟に当てられ、まるで同社の一員のように耳を傾ける自分の姿に驚かされた。
 確固たる理念を持ち、自らの行動で示していく倉本氏の〝アトモスフィア(空気感)〟は今後も広がっていくだろう。

【企業情報】
会社名/㈱京都設備
代表者/倉本和幸
本社/京都市南区上鳥羽菅田町39(京阪国道十条下ル東側)
℡/075-661-1155
      ◇      
<連載を終えて>
 シリーズを通し、多様な経営者の考えに触れた。組織論としてのリーダーシップに明確な定義はなく、様々な形のリーダーが存在し、一概に優劣はつけられない。これは逆説的に、人を活かすも殺すも、全ては上に立つ人間、人間学で言うところの「器」次第だとも言えるのではないか。
 人手不足、若者の企業離れが叫ばれて久しい昨今。しかし筆者は思う。リーダーが優秀なら、組織も悪くない。多くの人の「自己実現」の場と機会を祈る。
(本紙記者 佐々木雄嵩)

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