だから、日本語は面白い

元・日本語教師で、難関の日本語教育能力検定試験を一発合格した筆者が、
渡航先や外国人妻との生活の中で改めて発見した、日本語の難しさや面白さ。
毎回一つの言葉を取り上げ、その意味や用法、日本人の感性などに触れていきます。

【第1回】はじめに

〈日本語と日本人〉

 周囲を海に囲まれた日本は、異民族に支配される歴史も、さまざまな外来民族が新国家を造るというような経験もせず、長きに渡って外界との交流が少ないまま、近代を迎えました。
 世界には7000以上もの言語がある中で、日本語は約1億3000万人近く(世界順位13位)の話者がいるにも関わらず、そのほとんどが日本国内に限定されています。
 それゆえ、日本語や日本文化に興味を示す外国人にとって、なかなか理解しにくい事柄が多く見られるのでしょう。
 たとえば、「日本人は自分の本心をなかなか言わない」などと言われますが、本当にそうなのでしょうか。
 仮にそうだとして、それはどうしてなのでしょうか。

 当連載では外国人妻を持ち、海外在住歴のある元・日本語教師の視点から、簡単なようで実は色々な意味を内包している言葉を取り上げ、その意味や使い方、背景にある日本人の感性や日常で大切にしてきた事柄などについて触れていきます。
 〈さらに深く!〉では、取り上げた言葉に関係する事柄について、話題を広げていきます。
 言語学全般だけにとらわれず、社会学や文化人類学、民俗学、哲学・心理学など、さまざまな観点から多角的に捉えた話題を展開していきます。

 その言葉を、日本人はどのように思って発し、どのように受け止めるのか。
 当連載が読者の興味を引き、日本語や日本人の再発見に繋がれば幸いです。

だから、日本語は面白い 
過去記事一覧

テキストのコピーはできません。